MIYAKEJIMA CHURCH

9月19日の礼拝案内

【次週礼拝(9月19日)】

 招詞:詩編100:1b-3

 聖書:マルコ福音書13:3~13

 交読文:詩編5編2節~7節

 讃美歌:讃詠546番、28番、361番、512番、頌栄543番

 牧師予定】

◇毎週土曜日は10~17時まで伝道所にいます。お気軽にお立ち寄りください。9月22日(木)~24日(土)の間、牧師は夏休みで不在となります。

集会案内

主日礼拝 日曜日 10:00~11:

祈祷会 日曜日 礼拝後

牧師駐在日:毎週土曜日 10時~17時 ご自由にお越しください

9月12日の説教要旨

マルコによる福音書13:1~2

「イエスは言われた『これらの大きな建物を見ているのか』」(13:2)

主イエスと弟子達が神殿の境内を出て行きながら交わした短い会話です。「先生、ご覧ください。なんとすばらしい石、なんと素晴らしい建物でしょう」と一人の弟子が言ってきました。主イエスは「これらの大きな建物を見ているのか。一つの石もここで崩されずに他の石の上に残ることはない」とお答えになります。

とても短い、一言ずつのやりとりですが、このやりとりを通して、一つのことがはっきりします。イエス・キリストがご覧になっていたものと、弟子達が見ていたものが全く違っていた、ということです。

主イエスと弟子達はガリラヤ地方からエルサレムを目指して過越祭への巡礼の旅をしてきました。日曜日にエルサレムに入ってから、主イエスの目に、そして弟子達の目には何が映って来たのでしょうか。それぞれ考えてみたいと思います。

主イエスがエルサレムに入られた日曜日、まず行かれたのは、エルサレム神殿でした。その日は神殿の様子を見て回られただけで宿へと戻られました。神殿の様子をご覧になって主イエスが何を思われたのか、何もおっしゃっていません。

しかし、主イエスの神殿に対する思いが、翌日の月曜日に明らかになります。

月曜日に神殿の境内に入られた主イエスは、そこで巡礼者を相手に両替をしたり生贄を売ったりしていた商人たちを追い出され、「あなたがたは祈りの家を強盗の巣にしている」とお怒りになりました。

そしてさらにその翌日の火曜日には、神殿の賽銭箱に銅貨二枚を献金して、全財産を失ったやもめをご覧になります。

私達はこの方が神の子であり、キリストであることを知っています。神の子が、神の家である神殿に入られたのだから、喜ばれるのが本当です。主イエスは、エルサレムに入られてから、一度でも笑われたでしょうか。主イエスが神殿でご覧になって喜べるようなものは見出すことがお出来にならなかったのです。

神殿が神殿でなくなっていた、ということ、単なる立派な建物に成り下がっていることに心を痛めていらっしゃいました。建物が素晴らしい分、祈りがないということ、律法が行われていないということが浮き彫りになっていたのです。

神殿に失望された主イエスに向かって、弟子の一人が言います。「先生、ご覧ください。なんと素晴らしい石、なんと素晴らしい建物でしょう。」

主イエスがおっしゃったのは「これらの大きな建物を見ているのか」という言葉でした。「私とあなたとは見ているものが違う。あなたはただ、建物の立派さに目を奪われているだけだ」というこということです。

弟子達が立派な神殿に目を奪われるのは当然のことだったでしょう。弟子達はガリラヤ出身の、農村地域の人たちです。ガリラヤの町々にはこのような建築物はありません。壮麗な神殿の姿に素朴に感動していたのです。

元々、神殿はソロモンによって造られました。紀元前586年にエルサレム神殿はバビロニア帝国によって破壊されてしまいますが、バビロンでの捕囚生活を生き延びてエルサレムに戻ってきた人たちによって、紀元前515年に神殿は再建されます。エルサレム神殿はイスラエルの信仰の中心であり、イスラエルの象徴そのものでした。

主イエスの時代にはヘロデ大王が始めた更なる神殿の大改修・再建を進められていました。何十年にもわたる大工事で、主イエスの時代になってもまだ終わっていなかったほどです。改修工事の途中であっても、主イエスの時代の人たち、そして弟子達はこの神殿の大きさ、美しさに目を奪われたでしょう。

この時、主イエスと弟子達の間には距離がありました。それぞれ、見ているものが違うのです。今、主イエスは神殿から出て行かれます。そしてもうこの後は、神殿には二度とお入りになることはありません。

この時、主イエスは弟子達に衝撃的な言葉をお聞かせになりました。

「一つの石もここで崩されずに他の石の上に残ることはない。」

この神殿は、跡形もなく徹底的に崩れることになるだろう、という神殿崩壊の預言をされました。主イエスの目に映っていたのは、目の前に立っている立派な神殿の姿ではなく、破壊され、廃墟になってしまった神殿の運命だったのです。

神の家・祈りの家であるはずの神殿は、徹底的に破壊されることになる、という主イエスの神殿崩壊預言は、実際、この40年後の紀元70年に実現することになります。ユダヤ人は、ローマに対して反乱を起こし、結局ローマ軍によって神殿ごと滅ぼされることになります。主イエスの預言は実現するのです。

神殿崩壊の預言は、主イエスの前の預言者たちによってもなされて来ました。例えば、紀元前8世紀に預言者ミカは堕落したエルサレムの指導者たちに向かってこう言っています。「お前たちのゆえに、シオンは耕されて畑になり、エルサレムは石塚に変わり、神殿の山は木の生い茂る聖なる高台となる。」

紀元前6世紀にも預言者エレミヤが神の言葉をエルサレムの人たちに伝えています。 Continue reading